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コタエルコラム

#信託型ストックオプション

取崩し交付タイプと一括交付タイプの違い

2023.03.01

信託型ストックオプションには、実は様々なパターンのスキームが存在しています。
その中でも、「新株予約権(ストックオプション)等の信託財産をいつ役職員等へ配ることができるか」という点において、当社は特許出願済の独自スキーム「取崩し交付タイプ」の提供を行っております。
ここでは、当社独自のスキームである「取崩し交付タイプ」と、民事信託にて用いられてきた旧来からのスキーム「一括交付タイプ」について違いをご説明いたします。

「取崩し交付タイプ」と「一括交付タイプ」について

当社の提供する信託型ストックオプションでは、新株予約権等の信託財産を役職員等に配る(受益者指定を行う)スキームとして、「取崩し交付タイプ」と「一括交付タイプ」の2つのタイプをこれまでに提供してきました。
2014年に民事信託でも導入可能な信託型ストックオプションを開発した当時のスキームである「一括交付タイプ」と、2020年に当社が営業を開始してから提供を開始している、一括交付タイプの欠点を克服した当社独自のスキームである「取崩し交付タイプ」の特徴と違いをご説明いたします。

一括交付タイプとは


2014年に信託型ストックオプションが開発された当時、民事信託の範囲でも実現可能なスキームとして開発されたのが「一括交付タイプ」です。
民事信託の実施については信託業法により、収益または報酬を得る目的で継続反復的に信託を引受けることができないという法的な制限があります。そのため、信託の引受けを継続・反復しなくて良いスキームとして、一括交付タイプが開発されました。
 
一括交付タイプでは、たとえば発行した10%のストックオプションのうち、3%分を預ける信託2つと4%分を預ける信託に分けて信託を組成しておき、この3つの信託それぞれに、新株予約権等の信託財産を配る時期をあらかじめ決めておくことで継続・反復をしない、民事信託における信託型ストックオプションを実現しています。
ただし、継続・反復することができない仕組みのため、配る時期と配る総量を後から変更することができないほか、到来した時期に信託財産(たとえば、信託していた新株予約権)を配ることができなかった場合や配りきれず余った場合には、新株予約権を破棄する必要があります。
また、あらかじめ決めた未来の時期(たとえば株式上場後)まで、実際の新株予約権等のインセンティブを配ることができないため、従業員側から見た場合にインセンティブを貰えるという実感が半減してしまう可能性も存在します。

取崩し交付タイプとは


当社独自(特許取得済)のスキームである「取崩し交付タイプ」は、あらかじめ信託財産としてプールしておいた新株予約権等の信託財産(オプションプール)を、3ヵ月おきに取崩しながら交付することができる仕組みです。
 
2020年に当社が営業開始することにより、民事信託では不可能であった継続・反復した信託組成が実現できるようになり、旧来の「一括交付タイプ」の欠点であった新株予約権等の信託財産の「配る総量」と「配る時期」を信託組成時点にあらかじめ決めておく必要が無くなりました。
そのため、あらかじめ10%分のストックオプションをオプションプールとして信託しておき、3ヵ月おきのタイミングに配りたい量だけを配ることができるようになりました。
そのため、新株予約権等の信託財産を人事評価のタイミングやプロセスに合わせて役職員等に配ることも可能となり、実際に信託財産を定期的に受け取ることができるため、一括交付タイプよりも柔軟性や効果の高いインセンティブ・プランの実現が可能になりました。
また、一括交付タイプでは配らなかった新株予約権は放棄する必要がありましたが、取崩し交付タイプでは配らなかった分を引継信託に移管することで、無駄のない運用も可能になります。

取崩し交付タイプと一括交付タイプの比較表

取崩し交付タイプと一括交付タイプは、比較すると以下のような違いがあります。

取崩し交付タイプ

一括交付タイプ

信託財産(新株予約権・株式等)を

配る総量

最短3ヵ月おきのタイミングで

自由に決められる

信託を組成した時点で、

決めておく必要がある

信託財産(新株予約権・株式等)を

配る時期

最短3ヵ月おきのタイミングで

自由に決められる

信託を組成した時点で、

決めておく必要がある

付与する対象者の指定

付与するタイミングで指定可能

信託財産(新株予約権・株式等)を

配らない場合

配らなかった分を

次の信託へ引き継げる

配らなかった分は破棄される

当社では現在、旧来のスキームである「一括交付タイプ」のサービスについては、一部の特殊なご依頼の場合を除きまして提供を終了しており、一括交付タイプの欠点を克服した「取崩し交付タイプ」のサービスを提供しております。
取崩し交付タイプについては当社および当社グループ会社において、ビジネス特許を出願済のスキームです。
 
取崩し交付タイプは民事信託や他社サービスでは実現できない、柔軟な制度設計や運用が可能なスキームとなっておりますので、様々なステージの企業に合わせた導入が可能になっております。
これからも取崩し交付タイプのサービス内容はアップデートされていきますので、信託型ストックオプションの導入をご検討される際には、当社の信託型ストックオプションをご検討ください。

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ご注意ください。

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